トミー ジョン 手術の実態を探る!
野球選手にとって、深刻な怪我の一つである「トミー・ジョン手術」。その実態に迫り、手術の内容やリハビリ、そして選手への影響について詳しく解説します。
「トミー・ジョン手術」は、肘の内側側副靭帯(UCL)の断裂を修復するために、腕の他の部位から腱を移植する手術です。この手術は、1974年に当時、ロサンゼルス・ドジャースの投手だったトミー・ジョン投手に初めて行われたことから、その名前が付けられました。
近年では、野球選手だけでなく、他のスポーツ選手や一般人でも、この手術を受ける人が増加しています。しかし、手術の成功率は高い一方で、リハビリには長い時間を要し、競技復帰までに数カ月、場合によっては数年かかることもあります。
トミー・ジョン 手術の必要性と具体的な内容
トミー ジョン手術は、肘の内側側副靭帯(UCL)の断裂が原因で、肘の不安定性や痛みがある場合に行われます。UCLは、肘の関節を安定させる重要な靭帯の一つで、野球の投球動作のように、腕を強く捻る動作を行う際に強い負担がかかります。そのため、野球選手だけでなく、テニスやバレーボールなど、オーバーヘッド動作を行うスポーツ選手に多く見られます。
具体的な手術内容としては、まず、患者の腕の他の部位から腱を採取します。一般的には、手首の屈筋腱や足首の腓腹筋腱が用いられます。次に、採取した腱を、切れたUCLの代わりに、肘の内側側副靭帯に縫い付けます。
トミー ジョン 手術を受ける必要がある場合
- 肘の内側側副靭帯の断裂が確認された場合
- 保存的な治療(安静、固定、薬物療法など)が効果がない場合
- 手術によって競技への復帰が期待できる場合
トミー ジョン 手術のリスク
- 感染
- 癒合不良
- 移植した腱の断裂
- 肘の可動域制限
- 神経損傷
トミー ジョン 手術後のリハビリ
トミー・ジョン手術後には、しっかりとリハビリを行うことが重要です。リハビリの目的は、手術によって損なわれた肘の機能を回復し、競技復帰を可能にすることです。
リハビリは、手術後数週間から数カ月かけて行われ、段階的に強度を高めていきます。初期の段階では、患部の腫れや痛みを軽減するための運動を行います。その後、徐々に肘の可動域を広げ、筋力を強化していくための運動を行います。
リハビリの主な段階
- 初期段階(手術後数週間): 患部の腫れや痛みを軽減するための運動
- 中期段階(手術後数カ月): 肘の可動域を広げ、筋力を強化するための運動
- 後期段階(手術後数カ月〜数年): 投球動作を含む競技復帰のための運動
リハビリ期間は選手によって異なる
リハビリの期間は、選手の年齢、手術の難易度、リハビリの進捗状況などによって異なります。一般的には、手術後6カ月〜1年で競技復帰できる場合が多いですが、中には2年以上かかる場合もあります。
トミー・ジョン 手術後の選手への影響
トミー・ジョン手術を受けた選手は、手術前と同じように投球できるようになるまで、長い時間と努力が必要です。また、手術によって肘の可動域や筋力が制限される場合もあり、以前のような投球フォームに戻せない可能性もあります。さらに、手術後の不安や精神的なストレスから、パフォーマンスが低下することもあります。
成功例と失敗例
トミー・ジョン手術は、多くの選手にとって競技復帰への道を開く手術ですが、すべての人が成功するわけではありません。手術後、思うように回復できない選手もいますし、中には手術が原因で競技を諦めざるを得ない選手もいます。
選手の事例
選手名 | 所属チーム | 手術年 | 競技復帰までの期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ダルビッシュ有 | シカゴ・カブス | 2015年 | 約1年 | 手術後、以前のような球威を取り戻し、活躍を続けている |
田中将大 | ニューヨーク・ヤンキース | 2014年 | 約1年 | 手術後、球威が落ちたという声も聞かれる |
斎藤佑樹 | 北海道日本ハムファイターズ | 2015年 | 約1年 | 手術後、思うように回復できず、その後引退 |
参考ウェブサイト
- 日本整形外科学会:https://www.jos.or.jp/
トミー・ジョン 手術に対する今後の展望
近年、トミー・ジョン手術の技術は進化しており、手術後の回復期間が短縮され、成功率も高まっていると言われています。また、再生医療の技術も進歩しており、将来的には、手術なしでUCLを再生できる可能性も期待されています。
まとめ
トミー・ジョン手術は、肘の怪我に悩む多くの選手にとって、競技復帰への希望となる手術です。しかし、手術後のリハビリは長く、選手への影響も大きいことを理解しておく必要があります。手術を受けるかどうかは、医師とよく相談し、自分の状況に合わせて判断することが重要です。